使い続けたパイプの整理棚
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チャラタン不人気の理由は、好みの分かれる豪放なシェイプが多かったからでしょうか? 英国パイプらしいクラシックシェイプはstandard shape grade(普及グレード)に多く、それさえも他のメーカーの物とは一線を画する、一見無骨良く言えば男性的な感覚のものが多かったです。 プラトウから削り出されたfreehand gradeは尚のことチャラタン独特のシェイプで、当時の標準的なパイプの大きさからすると肉厚で大きなパイプが多かったのも合わせ、好き嫌いの分かれるところだったのでしょうね。
そうそう、不人気理由のもうひとつはこれですか?
このFree hand Reliefはfreehand gradeの低グレードモデルですが、チャラタンシェイプは味わえるし、ブラストはグッジョブだし、ボリュームの割に持ち重りせず、良いブライアなのかなとも思えますし、隠れた名パイプかも?・・と私的には思ってます。 チャラタンのスムーズパイプご自慢の目の詰まったグレインは拝めませんが、私、グレインにはあまり頓着しないのでこれも問題なし。
このシェイプはポットダブリン又はベルポットとも言える、Free handとしては大人しいめのデザインで、シャンクが先細りになっているのがチャラタンらしい感じです。
(全長15.5cm ボウル外径4.6cm 火皿径2.4cm 火皿深さ3.1cm)
肉厚のボウルは味わいがぼやけるという意見は昔からありますが、私は特段そうは思いません。 径の大きいポットタイプのボウルなので火を回してやるような吸い方をしなくてはなりませんが、例えて言うと、ポーカーの手を一枚一枚見せられるような・・バージニアならバージニアの味わいが「あ、こんな味も・・」・・「あれ、こう甘味が絡むか・・」・・という具合に現れてきます。
チャラタンって、その風体によって誤解されてるのでしょうか? 味わいはほんとクールで繊細です。 ただし何本も吸ってるわけではないので断言はできませんが・・。
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当時オーリックのセカンドであるメジャーブラックやキャプテンブラックが買い得で案外良いという話も聞きましたが、それらはさぞ安かったんでしょうね。
ステムに金色の輪っかの付いたオーリックの正規品でも、廉価版のDE LUXEクラスでは木埋めが有るので、できるだけ埋めが少なく扱いやすそうなシェイプのものを選びました。
絵画系の学科だったのでアトリエで気軽に使えるパイプを探していたこともあり、こいつはドンピシャでした。
大学のアトリエで制作に行き詰まり、どうすればいいのか画面を悶々と眺めるとき、ようやく出来上がった充足感のとき、コーヒーを飲むとき、友達と話すとき・・いつもこいつの出番でした。 時には硬い灰皿にカンカンとボウルトップを打ち付けて灰を出したりしてたので、キズが沢山出来てました。 でも、いつのまにかほとんど消えてます。
初めは赤みの濃いマホガニー仕上げでしたが、今ではだいぶ薄くなってしまいました。 ボウルの仕上げはちょっと雑で、部分的に研磨痕が残ってたりしましたが、これもいつのまにか目立たなくなってます。 上級のスープリームなどは実に綺麗に仕上げてあったのでオーリックはクラスによる差が大きいのかな?
木埋めは前面の下の方に2つとシャンクの端っこに極小さいのが一つです。
気に入ってるのはシェイプデザインで、ボウルの下線とシャンクが真っ直ぐに繋がらず、すこしボウルが下に出っ張ったようになってるところです。 モッサリしてるとも見えますが、なんか古風な感じがして好きなんですよね。手で握ったときもジャストフィットです。 ビリヤード等もこういうデザインになってるのを見たことがあります。オーリック独特なのでしょうか?
もう一つ気に入ってるのがステムのビット部の形。 ダンヒルの真似でしょうか?
端の方だけキュッと広がってるのが小粋です。 素材も良いのかこいつはなかなか変色しませんでした(結局変色して磨いてますが(^_^; )
でもテノンはなんの工夫もないんですよね。 コモイのような二段切削が好きなんだけど。 酷使が祟ったのかステムルーズにもなりました。(今は修復して大丈夫です)
オーリックはどうも注目されてないメーカーのようですね。 アメリカでの販売が思わしくなかったからでしょうか? アメリカ人好みのモデルとかを投入しなかったんでしょうね。 私の知る70年代のパイプでもハンドカットステムを搭載したモデルが他のメーカーよりかなり安い価格帯で有りましたし、品質的にはけっして悪くなかったと思うのですが・・。
あるいは頑固な吸い味のせいでしょうか? 特に際だつところは無く、強いて言うとややコクが出るかなという感じです。 でも・・いいかげんに、えい!とタバコを詰めて吸っても雑味が出ずに底まで吸えるというような安心感が有るんですよね。 こういう特質もまた英国的と言えるのかもしれません。
よくある無人島究極の選択みたいなので、一本だけ持って行くパイプを選べと言われれば、私はこいつを選んでしまうでしょうね。 特別美味いわけでもない安物のこいつを。
当時すでに“C”マークは木埋めの無いコモイの正規品で、銀三本線はコモイのセカンドラインだということは知っていましたから、アレレレ?と思ったわけです。
おそらく店員さんが値札を取り違えたんだと思い、両方を見せてもらいました。
ギルドの方はコモイらしい黒く木目の浮き出た仕上げで、銀三本線とも相まって押し出しが強いんですね・・今でも人気が有る(もちろん中古市場ですが)パイプであることも頷けます。 それに対し、このロンドンプライドは明るい木地にややオレンジっぽい木目が浮遊するようなナチュラル仕上げで、美しくはありますが目立たない・・値札を間違えるのも有り得るなぁと思いつつ・・購入の決定打はこのオシャレ過ぎるとも思える優美なウッドストック(コモイではズールとは言わない)シェイプ。
え〜・・もちろん7k円です(笑
でも購入時には、このロンドンプライドがブルーリバンドに次ぐクラスのパイプだとは知らず、後々買っといて良かったな〜と思うことになります。
まさに一期一会であります。
今では最初のナチュラル仕上げが分かるのはシャンクの端っこのほうだけです。
こんなに飴色に色づいてしまいました。 丁寧に使ってるので汚れではありません・・たぶん。
内外の仕上げは丁寧で、流石コモイ。 ブライアは触った感じや吸った感じから、多孔質で柔らかいように思います。 実際、傷も付きやすいです・・復元力も強いですが。 コモイはアルジェリアンを使ってたということですが、その木質のせいか、キュアリングと言われるブライアの下処理のせいかは私には分かりません。
問題点も有ります。 ビットは薄く銜えやすいんですが、数年後にピキッという感触とともに小さなヒビが裏に入ってしまいました。
お気に入りはこのテノンですね。
何も考えず、又は何かを一生懸命考えながらパイプを銜えるのが常ですので、その味わいについて書くとなると・・難しいですね〜。 このパイプは・・なんと言えばよいか? 一歩深い・・例えて言うと刺身を食べていて“あ?なんかこれ海の味が・・”とでも言うような、ジワッとした滋味あふれる煙を与えてくれます。 でも、初めは前傾しているボウルに不慣れで吸いにくく苦労した記憶があります。 ジョンコットンズのNo.1とかキャプスタンをよく吸いましたね・・。
英国パイプはこうでなくっちゃ!と思わせる取って置きの一本です。